糖尿病を治療せよ https://extension-life.com 糖尿病を治療するために収集した情報をまとめていくサイトです。 Mon, 10 Dec 2018 09:39:07 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.4.15 週末の朝寝坊は危険だった?睡眠時間の変化が代謝に悪影響 https://extension-life.com/2015/11/asanebou.html Wed, 25 Nov 2015 09:25:18 +0000 http://extension-life.com/?p=1087 仕事をしている平日と、週末の休日とで睡眠時間や起床時間を変化させている人は多いと思います。私もそうです。

しかし現代日本に生きる多くの人々が実践しているこの「週末の朝寝坊」が、実は健康に悪影響をおよぼすことが研究でわかりました。

それも平日と睡眠スケジュールがズレればズレるほど、健康面のリスクが上昇するというから驚くべき結果です。

そして問題となる健康リスクとは、インスリン抵抗性の上昇といった代謝障害だそうです。インスリン抵抗性が上昇すれば糖尿病を発症するので、このブログにとってまったく他人事ではありません。

「習慣的な睡眠」の変化が長期的な健康問題をもたらす

この研究は『Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism』という学術雑誌に2015年11月18日付けで掲載されました。ピッツバーグ大学のパトリシア・ウォンらの研究グループによる成果だそうです。

今回研究対象となったのは447人の中年男性です。彼らの詳細な睡眠状態を把握するために、リストバンド型のモニタリング装置の装着を義務付けました。

そうして得たデータから、次のような事実が判明しました。

  1. 調査対象全員が、仕事日と休日の睡眠スケジュールに変化があり、85%は長く寝ていた。
  2. 早いか遅いかにかかわらず、睡眠スケジュールの違い(ソーシャル・ジェットラグ)の大きさに比例して、代謝系の健康問題に悪影響が出ていた。
  3. こうした悪影響は、他の要因を調整した後でも確認された。

そして論文では、「体内時計の変化」が原因で様々な悪影響が出ているのではないかと推測しています。

ちなみに、ここで言う「代謝系の健康問題」は、次のようなものを指しています。

  • 血中脂質の増加
  • インスリン抵抗性の悪化
  • ウエストの肥大
  • BMIの上昇
  • HDLコレステロール(善玉コレステロール)の減少

睡眠スケジュールの変化そのものがリスク要因

寝過ぎが体に悪いとは思っていましたが、休日に早起きしすぎるのも同様に問題みたいですね。これはちょっと意外に感じました。

なんであれ平日と休日の睡眠スケジュールの変化そのものが良くないんですね。しかも単純にズレ幅が大きくなればなるほど問題が悪化するとは……。

ということは、休日に寝坊して朝食に菓子パンとジュースを摂るような生活は最悪だということです。

一見すると問題なさそうな、「早起きしておにぎりを食べてから早朝の釣りに出かける」、などの行為も睡眠スケジュールに大きな変化を及ぼすので良くないのだろうと思います。

早起きは健康的な生活習慣というイメージがあったのですが、そういう単純な話ではないようですね。重要なのは速いか遅いか、朝方か夜型かという違いではなくて、睡眠スケジュールを遵守することそのものに意義があったわけです。

逆に、「規則正しく生活しなさい」というアドバイスには科学的な根拠があったことになります。

体内時計の変化の悪影響で糖尿病患者が増えている?

睡眠スケジュールの変化が代謝に異常を引き起こすとなると、健康な人だけじゃなくてすでに糖尿病になっている人にとっても注意が必要ですね。

普段の生活リズムを崩した途端に、インスリン抵抗性が悪化して血糖値が上がってしまうので、血糖値管理という観点からも規則正しい生活は必須だということになります。

しかし、言うは易く行うは難し。休日と平日の睡眠スケジュールを一致させるというのは、仕事が忙しい現代人にとって極めて困難な要求ではないでしょうか。

「週末くらいは夜更かししたり、ゆっくり寝るのが楽しみなんだ!」と考えている人も多いでしょうからね。下手に我慢させるとそちらの方がストレスになりそうです。

それは私にもよく分かります。私も週末はどちらかと言うと夜型に近い生活をしていますし、翌日仕事がないのをいいことに映画や小説を読んでゆっくりするのが癒やしなんです。それができないとなると、本当にしんどい。

現代人にとってはつらい実験結果です。

ただまあ、現代日本で糖尿病が多い理由として、こういう側面もあるのかなと納得もしました。単なる食生活の問題に留まらず、総合的な生活習慣の問題が血糖値異常を引き起こしていたのかなと。

納得はしたけど、じゃあ睡眠スケジュールが一定な規則正しい生活を実践できるかと言われれば、わかっていても難しいですけどね。

睡眠スケジュールを保ちつつストレスを貯めない方法は?

では睡眠スケジュールをできるだけ保ちつつ、ストレスを貯めない現実的な方法はあるでしょうか?

幸いにも今回の実験結果では、「睡眠スケジュールの違いの大きさに比例して代謝異常が起こっていた」となっています。

とすれば、惰性で眠ったりせずにできるだけ睡眠スケジュールの違いを小さくすることが対策となります。

  • 無理に夜更かしせず眠くなったらすぐに寝て、翌日の朝から映画を見る。
  • 休日早朝の釣りが趣味なら、一週間くらいかけて徐々に朝方の生活習慣にずらしていく。

こうした対策が現実的ではないでしょうか。

少なくとも「無駄に睡眠スケジュールを変化させることは慎もう」と意識するだけでも、体調は違ってくるかと思います。

無理をせずにできる範囲での体調管理に務めることが、ストレスを貯めずにできる現実的な対処法ではないでしょうか。

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フレッシュネスバーガーで低糖質バンズを注文する方法は? https://extension-life.com/2015/11/freshness.html Fri, 13 Nov 2015 15:03:40 +0000 http://extension-life.com/?p=1077 日本人の糖尿病患者数が伸びていることは、このブログ内でも何度も取り上げてきました。

この傾向に対して世間でも糖尿病に対する理解が進み、最近では低糖質食品を町中で頻繁に目にするようになりました。

もちろんこれは糖尿病患者のためだけではなく、低糖質食品が体に良いとかローカーボ食品がダイエットに良いと知った一般人のニーズに応えるためのものでもあります。

しかし理由はどうあれ、一昔前よりもはるかに簡単に低糖質食品を購入することができるのは間違いありません。

そしてこの動きは外食産業にも広まっています。

フレッシュネスバーガーで低糖質バンズが登場

全粒粉パン

私は以前、コンビニのおでん等の糖質含有量の少ない食品について紹介してことがありました。

その記事では、外出時にはごはんやパン類といった炭水化物を避けられる食事にすることを推奨していたのですが、この度フレッシュネスバーガーで注目すべき取り組みが始まりました。

なんと、ハンバーガーのバンズ(パン)を低糖質のものに交換することができるというのです。

低糖質バンズの中身ですが、小麦粉を全粒粉に変え、なおかつ食物繊維を多くすることで小麦粉の量を減らすなどの工夫によって、糖質量を2分の1にまで減少させたとのことです。

50%カットだとしてもまだ多いと考える糖尿病患者もいると思いますが、そこは一度に食べる量を調整するなどすれば、糖質量はコントロール可能です。

むしろ従来の2倍食べられるわけですから、これを活用すれば外食時の糖質制限食のバリエーションが広がりますね。

低糖質バンズに交換するための方法

フレッシュネスバーガーで低糖質バンズに交換してもらうためのやり方は、とても簡単です。

特別な手続きが必要なわけではなく、好きなハンバーガーを注文したときに交換して欲しい旨を伝えれば、プラス50円で簡単に変更してもらえるのです。

要は注文時のオプションなんですね。

私も近所の店で普通に頼んでみましたけど、「低糖質バンズに変えてください」って言えばそれで済みました。

どこの店舗で実施しているのか?

このサービスは、ありがたいことに、フレッシュネスバーガーの全店舗で実施しているそうです。

ですから近所にフレッシュネスバーガーがある人は、一度試してみたらいいかもしれません。

おわりに

私はアボガドバーガーを注文しましたが、これは通常メニューで炭水化物が39.3グラム含まれています。

具材からして糖質の殆どはバンズだと思われるので、これを低糖質バンズに変えれば炭水化物含有量は約20グラムになると思われます。

これは糖質制限食の基準をクリアできる水準ですね。

フレッシュネスバーガーは本当に良いサービスを実施してくれたなと思います。

今後、モスバーガー等の他のバーガーチェーンも追従してくれることを期待しましょう。

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糖尿病を加速させる糖毒性とは?仕組みや治療法を簡単に解説! https://extension-life.com/2015/07/toudokusei.html Sun, 05 Jul 2015 14:33:59 +0000 http://extension-life.com/?p=1063 身内から糖尿病患者が出たりしてその脅威を身近に感じていると、次第にブドウ糖そのものに嫌なイメージを持ち始めませんか?

私は完全に糖質に対して恐れのような感情を持っちゃってます。

本来は大切な栄養素なのですが、血中のブドウ糖が引き起こす害について調べていると、どうしても摂取に忌避感を抱いてしまうんですよね。

今回説明する「糖毒性」も、そうした高い血糖値によって引き起こされる恐ろしい現象の一つです。一言で言えば、加速度的に糖尿病を悪化させる負のスパイラルですね。

この記事ではそんな「糖毒性」について、

  • どういう現象でどんな仕組みなのか?
  • それを治療するための方法はあるのか?

といったことを解説していきます。

「糖毒性」とは?どんな現象でどんな仕組みなのか?

タンパク質の「糖化」によるダメージ

「糖毒性」を理解するためには、そもそもなぜ血糖値が高くなると危険なのかについて知っておく必要があります。

以前解説したことがありますが、ブドウ糖にはタンパク質と結びつく働きがあります。これを糖化といいます。

⇒ 糖尿病の高血糖と毛細血管

タンパク質が糖化すると、AGEという物質になります。

このAGEは、いわゆる老化物質なんです。

医学的に細かいことを抜きにして簡単にいえば、AGEによって細胞が老化してしまうと考えてください。

細胞が老化すれば、その細胞の様々な機能に問題が発生します。

ということは、細胞からなる臓器にも問題が発生するわけです。

目の毛細血管がボロボロになって視力低下や網膜剥離を引き起こしたり、腎臓にダメージを与えて腎障害を生じさせたり、様々な悪影響が糖化によって起こるのですね。

血糖値が高くなると危険な理由は、血管内でこの「糖化」が発生してしまうからだといえます。

すい臓へのダメージと負のスパイラル

糖化によるダメージは様々な臓器に悪影響を及ぼしますが、いちばん問題なのはすい臓へのダメージです。

すい臓は血糖値をコントロールすためのインスリンを分泌する臓器ですから、ここがダメージを受けてインスリン分泌能力が低下すると、血糖値は一気に悪化します。

この悪化した血糖値が、さらに膵臓のインスリン分泌機能を破壊して高血糖を誘発するのです。

これを「糖毒性」といいます。

まさに一旦発症すると加速度的に糖尿病が悪化していく負のスパイラルですね。

負のスパイラルが恐ろしいのは、一旦それに嵌ってしまうと、生半可なことでは抜け出せないからです。

普通の人なら適度な運動で抑えられる程度の糖質摂取量であっても、この糖毒性に陥っている人の場合は、血糖値が上がったまま下がらなくなります。インスリンを出す機能そのものが弱っているからです。

同じ量の炭水化物を食べても、糖尿病の進行状況によって血糖値上昇幅に違いが出てくるのはこれが理由なんですね。

一旦糖尿病になると悪化する一方だと言われるのは、この糖毒性が治療を困難にしていくからだともいえます。

糖毒性を治療するための方法とは?

糖毒性による負のスパイラルから脱却するためには、どうすればいいのでしょうか。

シンプルに考えれば、完全に膵臓が破壊されてインスリン分泌機能がなくなる前に、高血糖状態を解消するのが第一ですね。

そこで現在行われているのが、比較的早期にインスリン注射によって血糖値を下げる治療法です。

インスリン注射は手間もかかるし重症患者が行う治療法だと思われがちですが、いちばん強力な治療法であることは否定できません。

そこで糖毒性から脱却するために、あえて早い時期にインスリン注射で血糖値を下げます。これにより膵臓のインスリン分泌機能が破壊される前に高血糖状態を解消できるので、その後の治療の効果が飛躍的に高まるのです。

糖毒性から脱却して治療効果が高くなれば、以後はインスリン注射を打たなくても投薬や食事療法、運動療法で血糖値を適正な状態に管理できます。

つまり、糖毒性を放置するよりも遥かに少ない負担で血糖値管理ができるのです。

最初だけ我慢すれば後々楽になるってことですね。

おわりに

  • 糖毒性とは、高血糖によってすい臓のインスリン分泌機能が破壊されてさらなる高血糖を引き起こす悪循環現象
  • 治療するためには早期のインスリン注射で悪循環を断つことが重要

糖尿病は様々な合併症を引き起こしますが、それはこういう様々な負のスパイラルが体内で起こっているからなんですね。

病気や人体の精妙な仕組みには本当に感心してしまいます。

しかし仕組みがわかれば対策も取れるわけで、医学って凄いなとこちらもまた感心してしまいましたね。

それにしても、早期のインスリン注射にこのような意味があるのなら、医師からインスリン注射を勧められても「そんなに深刻なのか……」と悩む必要はなさそうですね。糖毒性の解消が目的ならば、インスリン注射は一時的なものにすぎないかもしれないわけですから。

回復の可能性があるなら、いちいち絶望するだけ時間の無駄ですねw

そう考えると気が楽になると思います。

逆に言えば、こういう絶望感を持ってしまうのは、最近の早期インスリン注射による治療を知らず、「注射を始めたらあとは死ぬまでそれが続くだけ」と思い込んでいるからなんですよね。

ある意味糖尿病への誤解に起因する社会的「偏見」が問題なわけです。

日本は現在世界有数の糖尿病大国なのですから、もっとこの病気に対する正確な情報を社会へ向けて発信する必要がありますね。

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ヨーグルトで糖尿病予防!食後高血糖の抑制効果が!? https://extension-life.com/2015/05/post_132.html Thu, 28 May 2015 05:16:35 +0000 http://extension-life.com/?p=1033 5月31日放送の「駆け込みドクター!SP 超スッキリ!腸内環境ランキングスペシャル!」でヨーグルトが特集されていました。

ヨーグルトは私も大好きでよく食べていますが、それは糖尿病予防の意味もあります。

この番組はあくまでも腸内環境を整えることに重点が置かれていたので、ヨーグルトと糖尿病予防の関係についてはあまり触れられていませんでした。

そこでこの記事では、ヨーグルトの持つ血糖値改善効果について解説しようと思います。

ヨーグルトと糖尿病|ケンブリッジ大学の研究成果

ヨーグルトと糖尿病予防の関係については、2014年に大規模な調査結果が発表されて話題になりました。

これはケンブリッジ大学の研究チームが発表したもので、男女3500人を11年も追跡調査した結果明らかになったものです。

その結果、次のような驚くべき事実が明らかとなりました。

調査期間中に753人が2型糖尿病を発症したが、ヨーグルトや低脂肪のフレッシュチーズやカッテージチーズなどの乳製品を食べていた人たちは、全く食べていない人たちと比べて糖尿病を発症した割合が24%低かった。

引用元:ヨーグルトを食べると糖尿病リスクを下げられる

これはかなりはっきりした結果ですね。

とはいえ、これだけでは乳製品一般の話です。ヨーグルトだけに限った話ではありません。重要なのは、ヨーグルトだけを食べていた人の結果です。

この研究によれば、ヨーグルトだけを食べていた人は、28%の糖尿病リスク低下が認められたのだそうです。

一方、高脂肪の乳製品や牛乳そのものでは、このような効果が認められなかったということです。

研究チームは、ヨーグルトに含まれる腸内善玉菌とビタミンKがリスク低減に効果的なのではないかと推測しています。

このことからわかるのは、低脂肪の乳製品に糖尿病リスクを低減する効果が期待できるということですね。これだけだと「ヨーグルトだけが特に良い!」とは言えません。

そこで次の研究です。

カスピ海ヨーグルトが食後高血糖を抑制

これはカスピ海ヨーグルトに関する研究です。

カスピ海ヨーグルトについては、2012年ころからブームになっているのでご存じの方も多いと思います。クレモリスという乳酸菌によってできる粘り気の強いヨーグルトです。

当然、低脂肪の乳製品に該当します。

そのカスピ海ヨーグルトに、食後の血糖値上昇を緩やかにして食後高血糖を防止する効果があると2009年の日本栄養・食糧学会大会で発表されたのです。

こちらがその報告のPDFファイルです。

Lactococcus lactis subsp. cremoris FC株(クレモリスFC株)を用いた牛乳発酵物および菌体外多糖の血糖値上昇に対する作用

これを見れば明らかなように、カスピ海ヨーグルトを食べたかどうかで血糖値上昇の最大値が低くなっています。これは無視できない減少割合ですね。

また、カスピ海ヨーグルトを食べることでインスリンの分泌量も緩やかになることが同じく報告されています。

インスリンの追加分泌は体に負担をかけるので、それが緩やかになるのは膵臓に負担をかけない良いことですね。

まとめ

この2つの研究を見比べると、ヨーグルトがなぜ糖尿病を予防できるのかが見えてきます。

要するに、ヨーグルトには、

  • 腸内善玉菌やビタミンKといった成分が含まれている
  • 糖尿病で一番問題視される食後高血糖を抑制してくれる
  • インスリンの追加分泌を抑えてくれるので膵臓にやさしい

という効果が期待できるから、糖尿病予防に良さそうだと言われているのです。

もっとも、後者の研究はカスピ海ヨーグルトに関するものなので、普通のヨーグルトでも似たような効果があるのかははっきりわかりません。

少なくとも砂糖を加えたヨーグルトじゃダメだろうということは分かるのですがw

一番良いのは、毎日カスピ海ヨーグルトを食べ続けることでしょうね。

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スーグラに副作用!?糖尿病新薬「SGLT2阻害剤」の安全性に注意 https://extension-life.com/2015/05/post_131.html Thu, 21 May 2015 01:33:22 +0000 http://extension-life.com/?p=930 [sglt2] ブログ村キーワード

2014年には新たな作用機序の糖尿病治療が色々と発売されて話題になりました。その中でも特に話題になったのが、アステラス製薬の「スーグラ」ではないでしょうか。

なにしろ日本で初めてのSGLT2阻害剤という触れ込みでしたから、糖尿病患者でこの新薬に期待していた人はたくさんいたと思います。

それどころか、「スーグラを飲めば痩せる」という噂がまことしやかに広まったため、ダイエットに興味がある一般の人からも注目されることになりました。

そんな注目度満点のスーグラですが、先日厚生労働省が製薬会社に医師向けの添付文書を改定するよう指示しています。その改定は副作用についてです。

スーグラはどういう薬なのか?

そもそもスーグラはどういう仕組みで糖尿病治療を行うのでしょうか?

これは簡単にいえば、「糖分が尿として排出されるのを促進する」作用です。

血糖値の高い人がこの薬を飲めば、血液中の余分な糖分がどんどん尿に混じって対外へと排出されます。これにより、生活に問題ないレベルまで血糖値を下げることができるのです。

飲むだけで余計な糖分を排出できてしまうお手軽さは、血糖値管理に汲々としていた人々にとって福音だと思います。

スーグラの副作用とは?

上の説明を読めばわかるように、この薬は尿に混ぜて糖を排出するのが肝です。ですからスーグラには利尿作用もあります

今回厚生労働省が問題視したのは、この利尿作用によって脱水症状を起こす患者が18例報告されたからです。特に多かったのは、高齢者や利尿剤と併用していた患者だそうです。

この薬に利尿作用があることは、もともと医療関係者向けの添付文書に注意事項として書かれていたそうです。薬の作用機序から言っても当然の話ですよね。

ただ、そうした注意書きがあったにも関わらず脱水症状を起こした患者が複数例いたことで、重大な副作用として記載するよう厚労省が製薬会社に指導したわけです。

副作用への対策は?

一番重要なのは、利尿剤との併用をしないことですね。

他の薬と併用したから尿が出すぎて脱水症状を起こしたのでしょうから、危険な併用をやめれば良いだけの話です。

そして水分をたくさん摂るべきです。

実際に、スーグラを処方する際は医師が患者に水をたくさん飲むよう指示しています。その指示をきちんと守れば、それほど恐れるような副作用ではありません。

そもそもこれだけ注目されて多くの人が服用した新薬で、重い脱水症状を起こしたと報告されたのが18例しかないのです。

これは、「水分補給に注意すればそれほど副作用を恐れる必要はない」ことを示していると私は考えます。

まとめ

今回の記事では、スーグラの副作用について説明しました。

 

スーグラに代表される糖尿病新薬「SGLT2阻害剤」には、脱水症状を起こしかねない副作用があります。

しかし、利尿剤との併用に注意しつつたくさん水分補給していればあまり心配ありません。

 

正直なところ、服用する側がちょっと注意すれば回避できる程度の副作用だと思います。血糖値管理への有効性を考えると、これは良い薬だといえるのではないでしょうか。

将来は、好きな物を食べながら薬で血糖値管理するのが糖尿病治療の主流になるかもしれませんね。

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