5月31日放送の「駆け込みドクター!SP 超スッキリ!腸内環境ランキングスペシャル!」でヨーグルトが特集されていました。
ヨーグルトは私も大好きでよく食べていますが、それは糖尿病予防の意味もあります。
この番組はあくまでも腸内環境を整えることに重点が置かれていたので、ヨーグルトと糖尿病予防の関係についてはあまり触れられていませんでした。
そこでこの記事では、ヨーグルトの持つ血糖値改善効果について解説しようと思います。
ヨーグルトと糖尿病|ケンブリッジ大学の研究成果
ヨーグルトと糖尿病予防の関係については、2014年に大規模な調査結果が発表されて話題になりました。
これはケンブリッジ大学の研究チームが発表したもので、男女3500人を11年も追跡調査した結果明らかになったものです。
その結果、次のような驚くべき事実が明らかとなりました。
調査期間中に753人が2型糖尿病を発症したが、ヨーグルトや低脂肪のフレッシュチーズやカッテージチーズなどの乳製品を食べていた人たちは、全く食べていない人たちと比べて糖尿病を発症した割合が24%低かった。
これはかなりはっきりした結果ですね。
とはいえ、これだけでは乳製品一般の話です。ヨーグルトだけに限った話ではありません。重要なのは、ヨーグルトだけを食べていた人の結果です。
この研究によれば、ヨーグルトだけを食べていた人は、28%の糖尿病リスク低下が認められたのだそうです。
一方、高脂肪の乳製品や牛乳そのものでは、このような効果が認められなかったということです。
研究チームは、ヨーグルトに含まれる腸内善玉菌とビタミンKがリスク低減に効果的なのではないかと推測しています。
このことからわかるのは、低脂肪の乳製品に糖尿病リスクを低減する効果が期待できるということですね。これだけだと「ヨーグルトだけが特に良い!」とは言えません。
そこで次の研究です。
カスピ海ヨーグルトが食後高血糖を抑制
これはカスピ海ヨーグルトに関する研究です。
カスピ海ヨーグルトについては、2012年ころからブームになっているのでご存じの方も多いと思います。クレモリスという乳酸菌によってできる粘り気の強いヨーグルトです。
当然、低脂肪の乳製品に該当します。
そのカスピ海ヨーグルトに、食後の血糖値上昇を緩やかにして食後高血糖を防止する効果があると2009年の日本栄養・食糧学会大会で発表されたのです。
こちらがその報告のPDFファイルです。
【Lactococcus lactis subsp. cremoris FC株(クレモリスFC株)を用いた牛乳発酵物および菌体外多糖の血糖値上昇に対する作用】
これを見れば明らかなように、カスピ海ヨーグルトを食べたかどうかで血糖値上昇の最大値が低くなっています。これは無視できない減少割合ですね。
また、カスピ海ヨーグルトを食べることでインスリンの分泌量も緩やかになることが同じく報告されています。
インスリンの追加分泌は体に負担をかけるので、それが緩やかになるのは膵臓に負担をかけない良いことですね。
まとめ
この2つの研究を見比べると、ヨーグルトがなぜ糖尿病を予防できるのかが見えてきます。
要するに、ヨーグルトには、
- 腸内善玉菌やビタミンKといった成分が含まれている
- 糖尿病で一番問題視される食後高血糖を抑制してくれる
- インスリンの追加分泌を抑えてくれるので膵臓にやさしい
という効果が期待できるから、糖尿病予防に良さそうだと言われているのです。
もっとも、後者の研究はカスピ海ヨーグルトに関するものなので、普通のヨーグルトでも似たような効果があるのかははっきりわかりません。
少なくとも砂糖を加えたヨーグルトじゃダメだろうということは分かるのですがw
一番良いのは、毎日カスピ海ヨーグルトを食べ続けることでしょうね。