糖尿病にかかると免疫力が落ちるので、ちょっとしたことで体調を崩しやすくなります。
この体調を崩した日のことを「シックデイ(Sick day)」と呼びます。風邪を引いた場合や、下痢をしている場合など、ちょっとしたことでもこれに該当します。
単に体調を崩しただけの日に特別な名称をつけるのは、糖尿病患者にとってこのシックデイが危険なものだからです。
というのも、シックデイには患者の血糖値が上昇するからです。
これは普段血糖値の管理がうまくいっている患者さんでも起こる現象です。なんと、平常時とは違って、食事を取らなくても血糖値上昇が起こるのです。
病気の回復のためには栄養が必要なのに、普段よりも食事による血糖値の上昇が急激になりやすいという危険な状況。それがシックデイの恐ろしさです。
シックデイで血糖値が上がる理由とは?
シックデイで血糖値が上昇するのは、ホルモン分泌に関係があります。
人が体調を崩すと、その負荷によって人体はストレスホルモンを分泌します。
そしてストレスホルモンというのは、一般的に血糖値を上昇させる方向で働くのです。
たとえば、イライラしたときに分泌されるストレスホルモンの代表格アドレナリンは、血圧や血糖値を上昇させます。また、ストレスによって大量に分泌されるコルチゾールは、血糖値を高めて免疫機能を低下させることが知られています。
このように、シックデイにはストレスホルモンの影響で、血糖値がどうしても高くなってしまうのです。
糖尿病の方は、病気になったときによく注意する必要があるわけです。