以前書いたように、糖尿病には1型と2型があります(参考:1型糖尿病と2型糖尿病の違いとは?)。
実は2型糖尿病の原因も二種類に分けることができます。
一つ目は、インスリンの分泌量が不足していることが原因で血糖値が上がってしまうタイプです。これは膵臓のβ細胞の分泌機能が何らかの原因で阻害されることで起こります。このタイプは日本人に多い事が知られています。
二つ目は、インスリンが働きが悪くなって血糖値が上がってしまう(インスリン抵抗性が高い)タイプです。こちらはインスリンの分泌量自体は正常なのに、単位あたりの機能が低下しているために、結局糖分をうまく処理できないのです。これは欧米人に多いことが知られています。
もちろんこの二つの複合タイプもありえます。
重要なのは、インスリンの分泌量が不足している患者に対して、インスリンの働きを良くするための治療を行っても、そこまで効果的ではないということです。
従来の糖尿病の食事療法はカロリーを主に気にしていましたが、それは肥満がインスリンの働きを悪くする(インスリン抵抗性を上げる)ことと肥満による合併症の回避を目的としています。
つまり、カロリーを気にする食事療法はインスリンの働きを良くするための、いわば欧米向きの方法であり、日本人に多いインスリン分泌量が不足しているタイプに対する食事療法としてはあまり効果的でないともいえるのです。
カロリー制限食よりも糖質制限食が注目されているのは、まさにこのことが自覚されてきているからです。
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