血糖値が低いのにヘモグロビンA1cが高い理由とは?

糖尿病は血液中の余分なブドウ糖の量、すなわち血糖値が多くなって起こる病気です。そのため、健康診断などで血糖値が高いか低いかを気にしている方も多いと思います。

ところが中には、血糖値そのものは低いのにHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)の数値が高いため、糖尿病の疑いがあるとされる人もいます。

血糖値が低いのにHbA1cの数値が悪いことに最初は納得がいかないかもしれません。

しかしこれはHbA1cと血糖値の違いを考えれば特に不思議なことではないのです。

そもそもHbA1cは、過去1ヶ月から2ヶ月間の血糖値の状況を知るために用いられる指標です(参考記事:ヘモグロビンA1c(HbA1c)とは?その意義はなに?)。

ということは、今の血糖値の値が低くても過去1ヶ月間の血糖値が悪いとHbA1cも高くなるのです。

言い換えれば、HbA1cの値が高い人は、たまたま今は血糖値が一時的に下がっているだけなのかもしれないのです。

もちろん今後血糖値に問題がないなら、HbA1cの値も徐々に下がっていきます。

逆にHbA1cの値が悪いままなら、検査時にたまたま血糖値が低くなっていただけなので、何らかの治療や対策などを行う必要があるわけです。