糖尿病で骨粗鬆症リスクが上がる原因

糖尿病の合併症の一つに骨粗鬆症があります。

骨粗しょう症には加齢が原因で起こる原発性骨粗鬆症と、病気が原因で起こる続発性骨粗鬆症の二種類があり、糖尿病は続発性骨粗鬆症の代表的な原因なのです。

それではなぜ糖尿病だと骨粗しょう症が起こるのでしょうか?

これには複数の原因が関わっています。

まず糖尿病によって骨のコラーゲンが劣化してしまうことが挙げられます。骨は骨密度と骨質によって頑丈さが決まりますが、骨質に関係するコラーゲンが劣化することで骨折しやすい状態になります。

また骨の形成にはインスリンが深く関わっています。インスリンには骨芽細胞という骨を作る細胞を増やす働きがあります。そのためインスリンの分泌不足や機能低下が起こると骨芽細胞が増やせなくなり、新しい骨を作れずに骨粗しょう症になってしまうわけです。

さらにインスリンは腸管からのカルシウム吸収にも関わります。インスリンは腎臓でビタミンDを活性型ビタミンDに変える働きをするのですが、この活性型ビタミンDがないとカルシウムを吸収できないのです。

さらに糖尿病の症状には高血糖に由来する頻尿がありますが、尿の量が多くなるとカルシウムも一緒に排出されるため、骨を作るためのカルシウムも不足してしまいます。

このように糖尿病の症状は骨粗鬆症のリスクを高める要因で満ちています。骨粗鬆症は骨折で寝たきり状態になりかねない恐ろしい病気ですから、うまく血糖値をコントロールして発症リスクを減らすよう心がける必要があります。