肥満体型の人が糖尿病になりやすいのは純然たる事実ですが、「太りやすい体質」の人が糖尿病になりやすいかといえば、そうとは限りません。
肥満になりやすいというだけなら、それはむしろ膵臓がきちんとインスリンを分泌し、それが機能している証拠だということもできます。たとえば、欧米人が日本人よりも太りやすいのに糖尿病になりにくいのは、しっかりと多量のインスリンを分泌しているからなのです。
ですから、太りやすい体質だからといって糖尿病になりやすいとまでは言えません。むしろいまのところはインスリン分泌がきちんとできている証拠です。
しかし、人間の体が脂肪を蓄えられる量には限りがあるので、既に十分な量の脂肪が蓄えられているとそれ以上血中のブドウ糖を脂肪として蓄えておくことが難しくなります。つまり、インスリンの働きが悪くなって血糖値が下がりにくくなります(インスリン抵抗性)。
それを補うために膵臓はさらにインスリンを分泌し、さらなる脂肪を蓄えます。この連鎖が続くと徐々に膵臓が疲弊していき、あるとき限界がきてインスリンを分泌できなくなります。
こうなると血中のブドウ糖を取り込むことができなくなり、血糖値がコントロールできない状態、つまり糖尿病になってしまいます。
まとめると、太りやすい体質だけなら特に問題ありません。
ただし、現実に太ってきたなら、同じように糖分を取り続けるとインスリンが効きにくくなるので、糖質を制限したり積極的に運動したりして痩せる必要があるということです。
太りやすい体質の人は、普通の人よりも早期に糖尿病の危険に気付ける体質だとポジティブに考えれば良いと思います。