糖質制限食の定義とは?

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

糖質制限食はカロリーを特に制限せず、血糖値上昇の原因である糖質だけを制限する食事です。

これは糖尿病の食事療法としてのみならず、ダイエット方法としても一般に浸透しつつありますが、その詳細な内容についてはまだ明確な定義がない状態です。特に、一日の糖質摂取量については、糖質制限食を推奨している方々の間でも意見が分かれているようです。

1日1食にして可能な限り糖質をカットするべきだという極端な意見の方もいるようですが、血糖値コントロールには効果的であってもそれを一生続けることは困難です。どれだけ望ましくても、患者が実際に実践できなければ意味がありません。

現実的に実践可能であり、しかも効果が期待できる摂取量こそが、糖質制限食の定義となるべきです。

バーンスタインの定義

医学的なエビデンスが得られている上限は、1日の糖質摂取量を130g以下とするものです。

これは糖質制限食の草分けであるリチャード・バーンスタインが提唱する基準で、この基準を満たしていれば様々な効果があることを多くの研究が示しています。

そこで北里研究所病院・糖尿病センター長である山田悟先生は、この基準を正式な定義とすべきだとしています。

必要な糖質制限量は人によって異なる

とはいえ、これはあくまでも「効果がある最低ライン」の緩い基準です。

この基準でも従来のカロリー制限食より優れているとは言えますが、では1日の糖質摂取量が130g以下なら食事療法として十分なのかといえばそうとは限りません。

たとえば、糖尿病がかなり進行している重い患者の場合、この糖質量では食後高血糖を回避できず、合併症の危険性が残ります。そういう人はもっと厳格な基準が必要になります。

しかし逆にそういう基準が誰にでも必要なわけでもありません。血糖値がやや高めという程度の症状が軽い人なら、最低ラインの緩い基準であってもインスリンがちゃんと機能して食後高血糖を起こさないかもしれません。

要するに、ここで挙げた基準は最大公約数的な定義であり、最適な糖質摂取量はそれぞれの状況によって異なるということです。

では、平均的な糖尿病患者にとっての最適な摂取量はどのくらいなのでしょうか?

続き:糖尿病患者に最適な糖質摂取量とは?