咀嚼と血糖値の関係:食事で噛む回数が多いほど糖尿病になりにくい?

現代人は柔らかいものを好む人が多いと言われています。それによって食事の際に噛む回数が少なくなっているそうです。

よく噛んで食べろということは肥満との関係でよく注意されています。しかし、噛む回数は肥満だけでなく糖尿病とも密接な関係があるのです。

実はよく噛んで食事をすると、あまり噛まないで食べるよりも血糖値が上がりにくいことがわかっています。

これは咀嚼回数が多いほど、血中のGLP-1というホルモンの濃度が上昇するからです。GLP-1はインスリン分泌を促進する作用があるので、よく噛むことで食後血糖値が上がりにくくなり、食後高血糖の危険を減らすことができるのです。

噛む回数と糖尿病発症リスクの関係を調べた調査では、噛む回数がもっとも多いグループのリスクは少ないグループの半分程度だったそうです。

別の実験では咀嚼回数は30回程度で食後血糖値の抑制効果が見られたそうなので、とりあえず30回は噛んで食べると効果が期待できます。

この回数は幼稚園や小学校の時に両親や先生から指示された回数と同じですね。30回は噛んで食べろという教育は、糖尿病予防にも繋がる科学的根拠のある話だったわけです。

▼関連記事
食後高血糖(かくれ糖尿病)とは?合併症との関係は?
GLP-1とは?