GI値(グリセミック指数)とは、一言で言えば「どれだけ血糖値を上昇させるか」を表す食品ごとの数値のことです。
たとえば豆類とジャガイモを比較した時に、糖質の量が同じになるように食べても、豆類はあまり血糖値を上昇させません。しかし、ジャガイモは豆類よりも大きく血糖値を上昇させます。
このように、糖質の量だけでは捉えられない「血糖値の上昇のさせかた」を表すのがGI値なのです。
GI値が低い食品はそれだけ血糖値を上昇させにくいわけですから、糖尿病の予防や食事療法において重要な役割を果たします。実際に、低GI値の食品を中心とした食生活をすれば、2型糖尿病のリスクが下がるという研究結果もあります。
この数字は、以下のように算出されます。
GI値=食品(糖質50g)摂取時の血糖値上昇曲線の面積÷ブドウ糖摂取時の血糖値上昇曲線面積×100
ただしGI値には注意点がいくつかあります。
血糖値上昇のピーク値を反映していない
まず、上記の式からも明らかなように、この数字は「面積」の割合によって導出されます。しかし血糖値上昇曲線が描く図形はそれぞれ違ってきます。ということは、同じ数値(面積)であっても、血糖値上昇の最大値はそれぞれ違うのです。
たとえば、砂糖は食後すぐに血糖値を急激に上昇させますが、その分下降するのも早いので、全体としては低めのGI値になります。しかし血糖値のピークが高い食品は、少なくとも糖尿病患者には危険だといえます。
(参考:食後高血糖(かくれ糖尿病)とは?合併症との関係は?)
健常者のデータは糖尿病患者にとって参考にならない
また、GI値の算出に用いられる血糖値上昇曲線は、健常者と糖尿病患者で大きな違いが出てきます。糖尿病患者はインスリンの分泌量や作用に問題があるからです。
したがって、健常者にとっては低GI値の食品であっても、糖尿病患者にとってはそうでないということもありえます。
食品の糖質量は考慮されていない
さらにGI値は食品の糖質50gあたりで比較しているので、そもそも糖質の割合が多い食品であっても低い値になりえます。実際に、低GI食品だとしても糖質量が多いために糖尿病患者にはあまり勧められないという食品も多々あるのです。
上記のような注意点があるので、特に糖尿病患者の場合には参考程度に留めておくのがいいと思われます。
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