生姜が2型糖尿病患者の血糖値を下げるという研究成果が報告されて話題になっています。
これはイランのShahid Sadoughi医科大学の研究チームによるもので、普段服用している治療薬とは別に生姜粉末の入ったカプセルを1日3回飲ませたのだそうです。
その結果、空腹時血糖値が平均171mg/dlだったのが、8週間後には150mg/dlにまで下がったとのこと。かなりの減少だと言えそうですね。
ちなみに、この研究では対照群も用意されており、生姜粉末抜きのカプセルを飲み続けたグループは、空腹時血糖値の平均が136 mg/dlだったのに、8週間後には150mg/dlにまで増加したみたいです。
個人的には、ここまでの悪化の理由も気になるところですが、それについては特に触れられていないのでよくわかりません……。
さて、気になるのが、生姜によって2型糖尿病患者の血糖値が改善した理由です。
これについては、研究者はっきりとした理由を突き止めることができなかったそうですね。
ただ、あくまでも推測だとの前置きの上で、生姜は肝臓に蓄えられたグリコーゲンを分解してグルコース(グルコース-1-リン酸)を作るための酵素「ホスホリラーゼ」の働きを抑制するので、それが理由だと考えれば理論的に説明がつくとも言っています。
2型糖尿病患者はインスリンの働きが弱くて細胞内にグルコースを取り込めないので、細胞がエネルギー不足になります。
するとその状態を改善するために、身体はどんどんグリコーゲンを分解するよう肝臓に命令するので、2型糖尿病患者は過剰に血糖値が上昇する傾向にあります。
この作用を生姜が抑制するのであれば、たしかに高すぎる血糖値を下げるのに有効かもしれませんね。血糖値が気になっている人は、生姜入りの料理などを食べるようにすればいいかもしれません。
ただ、糖尿病の人で投薬治療を受けていたりすると、生姜の過剰摂取は低血糖を引き起こす危険性があるかもしれません。
さらにこの研究成果を伝えるニュース記事には、生姜が抗凝血作用を持っていることから、抗凝血薬を既に投与されている人が摂取すると危険なことになりかねないという警告もあります。
生姜を積極的に摂取して血糖値を下げようという人は、自分がどのような薬を飲んでいるのか把握してからにするべきですね。