糖尿病の高血糖と毛細血管

糖尿病で特に恐ろしいのが合併症です。糖尿病の症状に対する世間のイメージも合併症に関するものが多いと思います。

こうした合併症は、高血糖が毛細血管を破壊することに起因します

血中のグルコース(血糖)は毛細血管を形成するタンパク質と反応し、細胞を糖化させてしまいます。これによって毛細血管が破壊されるので、体内の様々な臓器に障害が起こるようになります。

糖尿病の合併症が特定の部位ではなく内蔵や目、手足など全身に出てくるのは、まさにこの毛細血管の破壊が全身でくまなく起こることが原因です。

ハッキリとした合併症が出なくても、高血糖の状態が続くと毛細血管にダメージが蓄積されるので、様々な病気にかかりやすくなります。糖尿病患者は心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクが高いというデータも、この意味で理解できます。

この高血糖による血管のタンパク質の糖化は、特に食後高血糖によって急激に進行します。

したがって、糖尿病の合併症を防ぐためには、食後高血糖を防止する必要があります。

現在のところ、そのために有効なのが糖質制限食なのです。

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