最近ついに、日本人を対象とした糖質制限食の有効性に関するエビデンス(証拠、検証結果)が出てきたみたいですね。1月に日本内科学会の英文誌に掲載されたとのことです。
これはどういうことなのかについて、簡単に説明しますね。
もともと糖質制限食に関して肯定的な研究結果は色々出ており、アメリカの糖尿病学会はどんどんその効果を認める方向に動いてきました。
そうなると日本でも同じように糖質制限食を認めればいいのに、日本の糖尿病学会はこれを認めないできたんですね。食事療法はカロリー制限食一本なんだ、と。
彼らの論拠の一つが、糖質制限食に関する研究結果が日本人には当てはまらないのではないかということだったわけです。
ところが今回ついに、日本人を対象とした糖質制限食とカロリー制限食のランダム化比較試験が行われ、糖質制限食を摂っていたグループだけにHbA1cの有意な改善が見られたのです。
しかも糖質制限食についてよく言われる腎機能や肝機能への悪影響についても、実際はカロリー制限食との間に有意差がありませんでした。つまり「悪影響がある」という主張のほうに科学的根拠がなかったのです。
要するに、日本人の場合でも糖質制限食が糖尿病の食事療法としてカロリー制限食よりも有効だということが、信頼性の高い実験で示されたわけです。
これをきっかけに糖質制限食についての正しい知識がもっと広まると良いのですが。