耐糖能異常とは?なぜ危険なのか?どう診断する?

基礎知識

耐糖能異常とは、75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)で、正常型と糖尿病型のどちらにも含まれない、境界型の人の状態を表す言葉です。一般的に糖尿病予備群と呼ばれているのは、この耐糖能異常がある人たちです。

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耐糖能異常の基準値

75gOGTTで糖尿病と診断されるのが空腹時の血糖値が126mg/dl以上、または2時間後の血糖値が200mg/dl以上という基準ですから、耐糖能異常とされる人はそれ以下だけど正常型よりも高い範囲に含まれる人です。

具体的には、空腹時で110mg/dl~126mg/dl未満、2時間後で140mg/dl~199mg/dlという人がこれに該当します。

特に危険なのはこんな人

特に危険なのは空腹時が正常範囲だけど2時間値が高いという人です。なぜなら、これは食後高血糖が起こっていると考えられるからです。

食事を摂れば血糖値が上がるのは普通のことです。これは誰にでも起こる現象です。糖尿病ではない健康な人であっても、食後に血糖値は上がります。

しかし、健康な人は血糖値上昇に合わせてインスリンが分泌されるので、その血糖値は一定限度内に収まるのです。高血糖の危険な領域にまで上昇することはまずありませんし、2時間も経過すれば元の水準に落ち着きます。

ところが、2時間後の血糖値が高い人は、このようなインスリンの正常なはたらきが機能しない状態担っているのです。

つまり、インスリンの分泌量が少なくなっているか、インスリン抵抗性があって効き目が鈍くなっていると推測できます。

耐糖能異常はなぜ危険なのか?

食後高血糖は血管にダメージを与えて動脈硬化のリスクを高めます。

 

さらに、神経症や網膜症といった合併症も併発しかねません。

なぜなら、糖尿病合併症は毛細血管へのダメージが原因で起こるからです。食後高血糖は血管を痛めつけることで、同時に合併症のリスクをも著しく増大させているのです。

⇒ 糖尿病性網膜症とその予防対策は?

このように耐糖能異常は放置しておくと非常に危険であり、早期の生活習慣改善など血糖値コントロールの対策を取る必要があります。

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