2型糖尿病患者に多いのが、肥満が原因でインスリン抵抗性が増し、それによって血糖値のコントロールが上手く行かなくなるパターンです。
このサイトでも何度か書いていますが、肥満はインスリン抵抗性を増加させます。
しかし、なぜ肥満によってインスリン抵抗性が増すのでしょうか?
肥満とインスリン抵抗性の関係
近年の研究によってわかってきたところによれば、このメカニズムは次のようなものだそうです。
まず、肥満によって増えた脂肪細胞のせいで一部の脂肪細胞が酸素不足により死滅してしまいます。
すると、死滅した細胞を処理するために免疫細胞が集まってくるのだそうです。
そして免疫の反応が過剰になると炎症が起こります。このあたりは花粉症やアレルギー反応といっしょですね。
そして重要なのは、この炎症によってあるタンパク質が活性化することです。
この活性化したタンパク質は、インスリンの信号を伝達するための経路を邪魔する働きをします。そのため、インスリンがうまく働かなくなるのです。
簡単にまとめると、肥満すると体内で炎症が起こり、それがインスリンの作用を邪魔するタンパク質を活性化させるという仕組みなんだそうです。
炎症と糖尿病
これは個人的な感想ですが、このメカニズムからすると肥満以外でも炎症を起こすような要因があれば、インスリン抵抗性は上がりそうですね。
逆に炎症を防ぐような要因があれば、インスリン抵抗性に問題は出ないとも言えそうですね。
最近、カカオのポリフェノールやぶどうのレスベラトロールなど、抗炎症作用がある物質に糖尿病予防効果があるという研究を見かけますが、それはこういう観点からも理解できるのではないかと思いました。