糖尿病は高血糖を引き起こす病気ですが、それに付随して様々な合併症が出ることでも知られています。腎症や網膜症、神経障害などが代表的な合併症です。
こうした合併症のリスクを高めている要因が食後高血糖です。
食後高血糖とは?
人間は食事を摂ると血糖値が上昇します。正常な人はそこでインスリンを分泌し、すぐに血糖値を正常な範囲に抑えることができます。
ところが、インスリンの分泌が遅かったり分泌量が足りなかったり、あるいはインスリン抵抗性が高くて効き目が弱かったりすると、食後に急激に血糖値が上昇してしまいます。
この状態を食後高血糖といいます。
食後高血糖の何が問題なのか?
研究によれば、血糖値が180mg/dlを超えると血管へのダメージになり合併症のリスクが激増するそうです。食後高血糖はまさにこの理由から危険視されています。
実際に、空腹時血糖値が高くても食後高血糖を起こしていない人と、空腹時血糖値は低いけど食後高血糖を起こしている人では、後者のほうが圧倒的に心筋梗塞を起こす可能性が高いのです。その可能性は糖尿病患者と変わらないとされています。
言い換えるなら、食後高血糖こそが心筋梗塞などの合併症の主要な要因です。
食後高血糖は「かくれ糖尿病」
しかも恐ろしいことに、食後高血糖は糖尿病の診断基準によれば「境界型」に分類される人にも起こっています。
なぜなら、糖尿病の診断基準は食後2時間後の血糖値が200mg/dl以上なので、食後2時間以内に血糖値が180mg/dlを超えていてもそれを診断できないからです。
こうした理由から、食後高血糖を「かくれ糖尿病」と呼ぶこともあります。
食後高血糖は早期発見と予防がとても重要です。定期的な運動や食生活の見直しを意識するようにしましょう。
▼関連記事