糖質制限食とは、血糖値上昇の直接の原因となる炭水化物などの糖質を制限する食事のことです。
最近はダイエットの方法としても人気があるので注目を浴びていますが、元々は糖尿病の食事療法として考案されたものです。
糖尿病治療としての糖質制限食が優れている点は、血糖値を直接コントロールできるということです。
伝統的な食事療法ではカロリー制限にばかり目が行き、その結果血糖値上昇の原因である糖質の量を無視するという本末転倒なことになっていました。これでは肥満による合併症などを予防することはできても、大本の原因である血糖値は悪化するばかりです。
これに対して糖質制限食は、血糖値上昇の原因にフォーカスした食事療法であり、糖尿病の症状をより効果的に抑えることができます。
実際に、両者を比較して糖質制限食だけがヘモグロビンA1cの数値を改善できたという研究成果も出ています。
(参考記事:糖質制限食が日本人にも有効というエビデンスが出た!)
また、糖質制限食の利点の一つに、カロリー制限による伝統的な食事療法よりも継続しやすい事が挙げられます。
カロリー制限を中心とした食事療法では、細かなカロリー計算と味気ない食事、空腹感を満たせない食事量といった問題がありました。そのため、糖尿病患者がカロリー制限を継続できないケースも多々ありました。食事療法を継続できないことがストレスでうつ状態になってしまう患者もいるようです。
この点糖質制限食では、カロリー制限によるものとは違い揚げ物などのカロリーが高めの食事も摂ることができるので、満足感のあるおいしい食事ができます。すると食事制限しているという感覚が少ないので、患者の負担になりにくいのです。
食事療法もダイエットも継続するのが一番困難なのですから、余計なストレスの少ない糖質制限食はまさにうってつけの方法なのです。
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